ゆみの高知のおじちゃんは75歳にはとても見えない元気な人だ。 子供達と魚釣りをし 果物を採って1日を過ごしたあと、夜はビールと日本酒を交互に飲んでいる。 僕はおじちゃんが 古いアルバムの中にある おじちゃんの若かった頃の写真を見ているのを遠くから観察していた。 おじちゃんはある1枚の写真の所で手をとめたかと思うと、ゆっくりと その手で 頭のてっぺんをなでた。 そして、「昔は髪があったのにな~、、、」とつぶやいた。

若い頃はたくさんの可能性を秘めた優秀な学生だったと語り始めた。 「僕には夢があった。」おじちゃんは 部屋の中で公表した。 すると もう一つの白黒の写真の束の中から おじちゃんのお父さんが 浜辺で飲み仲間達と写った 集合写真を見つけた。 おじちゃんは深いため息をつくと「この浜辺か。 ここから全てが間違った方向に進んでいったな、、、。」 そう、そのおじちゃんのお父さんが友達と楽しく酒を飲んだその同じ浜辺で おじちゃんは酒の味を覚えてしまい、それは まだ若かった おじちゃんの夢を絞め殺して行くことにつながったのだ。

とにかく、もう遅かったのでおかあさんと おばちゃんは片付けを 始め、おじちゃんは独りでその場に残された。 僕はこの いつも控えめな おじちゃんから目を離すことが出来なかった。 「昔は髪があったのに、、、」とまた独り言が聞こえた。 髪が無くなりだしてから かなりの年月が過ぎたように見える。でも もしかして 今 初めて気がついたのだろうか? きっと あの浜辺で 何かが起こったに違いないと僕は思った。